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トヨタ生産方式

製造業といえば、やっぱりこの一冊。



トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして


トヨタ生産方式
 脱規模の経営を目指して」
大野耐一 ダイヤモンド社
1470円+税





◎読んだ理由
製造業に勤めるものであれば、みんな知っている本だと思い読みました。





◎本の内容
章ごとには
1.基本理念の紹介
2.トヨタ生産方式の具体的説明
3.トヨタ生産方式の源流
4.フォード社の考察
5.まとめ
といった感じです。




・脱規模の経営を目指して
本の中では、トヨタとフォードを対比させている部分が多く見られます。フォードシステムは大量生産による原価低減方法(規模を大きくしてコストを減らす)、トヨタ生産方式多品種少量生産における原価低減方法(規模が小さくともコストを減らす)が基本です。当書の副題はこういう意味なんですね。




・具体例
トヨタ生産方式の具体例としては、道具として「かんばん」、「アンドン」などがあります(名前だけではわからないと思いますが、説明もし難いのでこれで)。政策としては「平準化」(誰でもできるように、いつも同じ対策をするように)、「多工程持ち」(一種類の仕事しかできない単能工から多能工へ)などです。さらに、トヨタ生産方式の二本柱として、「ジャストインタイム」、「自働化(機会に振り回されない、ニンベンのある自動化)が述べられています。




トヨタの考え方を知る
本の中ではフォード社への考察や、トヨタの創業者の考えなどもあります。この本に対して言われるのは、”この本に書いてあることはトヨタだからできるんだ”ということで、それには正しい部分もあると思います。ある程度はまねできても、自分の会社ごとの特色に合わせたシステムの確立が一番です。そうなると、トヨタ生産方式の源流を知ることが重要になってきます。どういう考え方か知っていれば応用できますからね。その点で、フォードやトヨタ創業者への考察は参考になります。





◎私への影響
原価低減とは、結局はムダを無くすことに結びつきます。私が一番印象を受けたのは、在庫のムダをなくしたことです。在庫はコストもかかれば価値も低減するので大いにムダだというのはよくわかりますが、私にはなかなか思い浮かばないことでした。





◎その他
この本は、30年以上前に書かれたもので、さらにトヨタ生産方式が実践され始めたのはさらにその前です。しかし、今も十分に、いや、多品種少量生産の進んだ今だからこそ、効果のあるものだと思います。製造業に関わるものであれば、日々の業務に対してどういう目を持てばよいかを知る、よい一冊です。

リーマンショック以降、トヨタは赤字ですね。この原因は工場ではなくトヨタ本社の経営方針にありそうですが、今後どうなるか。トヨタの底力に期待したいところです。