神社に行く

神社が好きなので、行った先の写真をアップします!

問題発見プロフェッショナル

問題解決プロフェッショナルの続編です。


問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」


問題発見プロフェッショナル
 構想力と分析力」
齋藤嘉則 ダイヤモンド社
2400円+税





◎読んだ理由
前作問題解決プロフェッショナルを読み、続編があるようなのでさっそく読んでみることにしました。コンサルタントの人がどういうことを考えているのか知ることができたらいいと思って読みました。





◎本の内容
順に見ていくと、
1.問題発見と問題解決の関係
2.課題設定とそのための4P(フレームの一種)
3.空間(拡がり)からの分析
4.奥行き(深さ)からの分析
5.優先順位(重さ)からの分析
といった感じでしょうか。




○問題発見は問題解決につながる
まず、前作である問題解決プロフェッショナルと比べたときの当書の位置付けについてです。名前通り、前作では問題の解決に重点があったのですが、当書では問題の発見に重点が置かれています。しかし、問題発見と問題解決の違いは紙一重です。なにしろ、問題を発見しなければ問題の解決の仕様がありません(問題発見の不可欠性)。また、目の前の問題を解決してもそれが重大な問題でなければ、現状は良くなりません(不十分な問題発見の弊害)。さらに、問題を発見していく過程で、問題の本質がわかり問題の解決が容易になります(問題発見の効用)。このように、前作を読めば問題解決には十分というものではなく、当書は問題解決プロフェッショナル2ともいうべき本なのです。




○豊富な事例
前作は、事例といえば特に著者が過去に担当された家庭用品メーカーの事例が主でした。そのひとつの事例を特に深く掘り下げて書かれているのが特徴的です。他の事例はあるにはありますが、数は少なめでした。当書では事例が豊富です。著者が担当された事例でなくとも、”この業界はこういう見方が可能だ”という形で事例が示されます。これらの事例が当書の中の文章をわかりやすくしており、また、こういう見方も可能なのか、という知見に触れることができ参考になります。




○前作より濃い内容
私の感想としては前作では、言われてみれば当然のことを意識させる、といった内容の本でした。当書は、言われて初めて知ることがたくさん書かれています。その点で、前作より内容が濃いと感じました。当書は税込みで2500円ほどしますが、内容としてこの値段でも納得の深みがあります。ただし、前作より複雑で読みにくい感はあります。しっかり理解しようとすると、読むのに時間がかかるでしょう。




○演習問題には不満
分析の章では、最後に必ず演習問題が付いてきます。しかし、当書の演習問題には解答が書かれていません。この手の問題には解答がないのだ、といえばその通りですが、しかし、解答例もないのでは解きっ放しで終わってしまいます。私のような素人にはちっともわからない演習問題もあります。期待値の分析などの計算問題ですら解がありません。これには不満を覚えました。




◎私への影響
具体的な分析方法は大変参考になります。論理的に考察を加えていくさまは、これがコンサルタントの人の考え方なのか、と思わされました。紹介されている分析方法だけでなくコンサルタントという職業の考え方の根本を、当書と前作からつかむことができるのではないでしょうか。




◎その他
問題解決プロフェッショナルと問題発見プロフェッショナルとの連続での紹介となりました。他の本を読んでいないわけではないのですが、ここのところ紹介するほどの本にあまり出会っていません。折角のブログなので、それなりに内容のある本だけを紹介していきたいと思っています。良い本に巡り合うというのも、なかなか難しいものです。