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質問力

質問する力について。今までとは一風変わったテーマの本です。


質問力―話し上手はここがちがう

質問力―話し上手はここがちがう

質問力
 話し上手はここが違う」
齋藤孝 筑摩書房 1200円+税



◎読んだ理由
私は発表会や対談の場での質問が苦手です。この本を読んでスキルアップできれば、と思いました。


◎本の内容
章ごとに内容を追っていくと、1.良い質問について、2.質問の技、3.より良い質問をするために、といった感じでしょうか。


良い質問について説明するときや、質問するときの技を説明するとき、そのときどきにおいてしっかりと具体例を示しており、読みやすい内容だと思います。ただ、具体例を示すとなると、テレビでの対談や雑誌でのインタビューというものが多くなります。これらは、話自体は1対1でなされているのですが、その話の内容は多くの人が聞くことが想定されているものです。

質問といっても、どういう場での質問かで内容が変わってきます。大勢の人がいる発表会での質問、少人数のゼミでの質問、知り合ったばかりの友人への質問・・・。この本に出てくるテレビの対談やインタビューといった場での質問は、特殊なものです。読みやすくはあるのですが、具体例として果たして適切なケースなのか、少し疑問です。


その他では不満はありません。いい質問とは何かを説明する際は、本質的か、具体的かといった観点を挙げており、切り口としてなるほどと思います。また、それをさらに座標軸で表すなど表現方法も良いと思います。質問の技としても、間に適切なうなずきを入れよう、など実践できそうなものが紹介されています。

また、具体例について適切なケースだろうかとは書きましたが、この本に出てくる質問の具体例は、確かに良い質問だと思います。具体例では、話をさらに深くする、みんなが知りたいことをちゃんと知ることができる質問が出てきます。良い質問とはこういうものか、と感心させられます。


◎私への影響
質問力、という観点を持つことができました。テレビを見ていて、研修の場で、この人はどうしてこんなこと訊くのだろう、とか、この人いい質問するな、と思うようになりました。また、紹介されている質問の技も実践しています。発表会の場での質問が好きになったとまでは言いませんが、少なくとも変な質問はしなくなっていると思います。以前の私はどういう質問が変かすらわからなかったのですから、前進しているといえます。

ところで、当書の帯には「初対面の人と3分で深い話ができる!!」と書かれているのですが、前述したように出てくる具体例は特殊なもので私たちの日常生活には当てはめにくく、私自身はまだ初対面の人と深い話ができるようになったとまでは言えません。


◎その他
著者の齋藤さんは、ちくま新書にて『「できる人」はどこがちがうのか』という本もだされており、その本を受けて当書が書かれたようです。当書よりもその本の方がビジネス向きなタイトルですね。

ビジネスに直接つながる本ではないのと、これは眼からウロコだ、とまでの印象もないので、これまで紹介した本と比べると当書のオススメ度は低めです。しかし、読んで損の無い本です。